養生訓279(第六巻 慎病)
病なき時、かねて、つつしめば病なし。病おこりて後、薬を服しても病癒(やまいいえ)がたく、癒(いゆ)る事おそし。小慾(しょうよく)をつつしまざれば大病となる。小慾をつつしむ事は、やすし。大病となりては、苦しみ多し。かねて病苦を思ひやり、のちの禍(わざわい)をおそるべし。
養生訓(意訳)
大病なると苦しみが多いです。大病になったことを思えば、小欲を慎むことは簡単です。少欲とは不摂生のことです。不摂生は、後のわざわいの元です。
通解
健康なときから適切に生活習慣に気をつければ、病気を予防できます。病気が発症してから治療しても、完全に回復するのは難しく、回復に時間がかかることがあります。そのため、小さな欲望や無駄な生活習慣を控えることは非常に重要です。小さな欲望を抑えることは容易で、大きな病気を防ぐのに役立ちます。病気になってから治療するよりも、健康を維持し、将来のトラブルを予防することが賢明です。したがって、健康でいるときから病気や痛みを心配し、将来の困難を恐れることが大切です。