養生訓252(巻第五 五官)
髪は、おほくつ、けづるべし。気をめぐらし、上気(じょうき)をくだす。櫛(くし)の歯しげきは、髪ぬけやすくして、あしゝ。牙歯(がし)は、髪ぬけやすくして、あしゝ。牙歯(がし)は、しばしばたゝくべし。歯をかたくし、虫はまず。時々両の手を合せ、すりてあたゝめ、両眼(りょうがん)をあたゝめ、のすべし。目を明らかにし、風をさる。よつて髪ぎはより、下額(ががく)と面を上より下になづる事、二十七遍、古人(こじん)、両手はつねに面に在(ある)べしと云へるは、時々両手にて、面をなづべしとなり。此の如すれば、気をめぐらし、上気をくだし、面色(かおいろ)を、うるはしくす。左右の中指を以(も)って、鼻の両わきを多くなで、両耳の根を多く、なづべし。
養生訓(意訳)
頭や顔のマッサージは気を循環させます。上気した時などに良いでしょう。
通解
髪をよく梳かしましょう。これによって気をめぐらし、上昇気を下げることができます。櫛の歯が密な方が髪が抜けにくく、牙歯も定期的にたたいて固くし、虫歯を遠ざけましょう。歯をしっかり噛み合わせ、虫歯を予防します。時々、両手を合わせて擦り合わせ、両眼を擦りましょう。これによって目を明らかにし、風邪を避けることができます。また、髪を下から上に向かって髪を引き上げることを27回行い、左右の中指を使って鼻の両側と両耳の根を刺激しましょう。これによって気をめぐらし、上昇気を下げ、お肌を美しく保つことができます。
気づき
朝起きて、顔を洗ってから、蒸しタオルで頭も拭いてヘアースタイルを整えるようにしています。