養生訓248(巻第五 五官)

凡(およそ)一日に一度、わが首(こうべ)より足に至るまで、惣身(そうしん)のこらず、殊(こと)につがひの節(ふし)ある所、悉(ことごと)く人になでさすりおさしむる事、各所(かくしょ)十遍(じゅつぺん)ならしむべし。先づ百会(ひやくえ)の穴、次に頭の四方(しほう)のめぐり、次に両眉(りょうまゆ)の外、次に眉(まゆ)じり、又鼻(はな)ばしらのわき、耳の内、耳のうしろを皆(みな)おすべし。次に風池(ふうち)、次に項(こう)の左右をもむ。左には右手、右には左手を用ゆ。
次に両の肩、次に臂(ひじ)骨のつがひ、次に腕、次に手の十指をひねらしむ。次に背をおさへ、うちうごかすべし。次に腰及腎堂(じんどう)をなでさする。次にむね、両乳(りょうちち)、次に腹を多くなづる。次に両股(りょうまた)、次に両膝(りょうひざ)、次に脛(すね)の表裏(ひょうり)、次に足の踝(くるぶし)、足の甲、次に足の十指(じゅつし)、次に足の心(うら)、皆、両手にて、なでひねらしむ。是(これ)寿養叢書(じゅようそうしょ)の説也。
養生訓(意訳)
一日に一度は、自分の全身を指圧やマッサージをすると良いでしょう。特に関節部は丹念に。まず、頭部から、だんだんに下にいきましょう。だいたい各部10回ぐらいが良いでしょう。これは、中国の古書の説です。自分自身でも行っても良いです。
通解
一日に一度、自分の首から足先まで、全身を手でなでるか揉むべきです。特に関節の部分や筋肉の固まりがある場所を重点的に行うことが大切です。各部位を10回ずつなでるか揉むことを心掛けましょう。
最初に、頭部の百会と呼ばれる部位をマッサージします。次に頭の四方、眉の外側、眉の間、鼻の横、耳の内側、耳の後ろをなでるか揉みます。その後、風池と呼ばれる部位を刺激し、首の左右をマッサージします。左側には右手、右側には左手を使います。
次に、両肩、肘の付近、腕、手の指をひねったり揉んだりします。背中を押したりもします。その後、腰と腎臓の部分をなでたり揉んだりします。胸、両乳房、腹部をマッサージし、両股、両膝、ふくらはぎの表裏、足首、足の甲、足の指、足の裏を両手でなでたり揉んだりします。
これらのマッサージは健康を維持するための方法であり、寿養叢書と呼ばれる古典に記載されています。
気づき
一日に一回は、マッサージを心掛けたいと思います。