養生訓247(巻第五 五官)
夜臥(よるふす)に、衣(きぬ)を以(も)って面(めん)をおほふべからず。気をふさぎ、気上(きのぼ)る。夜臥(よるふす)に、燈(ともしび)をともすべからず。魂魄(こんぱく)定まらず。もしともさば、燈(ともしび)をかすかにして、かくすべし。ねむるに口をとづべし。口をひらきてねむれば、真気(しんき)を失なひ、又、牙歯(がし)早くおつ。
養生訓(意訳)
眠るときは、灯りを消しましょう。精神が不安定になります。灯すにしても、微かに灯したが良いでしょう。睡眠中に口を開けて寝るのは良くないです。歯にも良くありません。
通解
夜寝る際には、衣服で顔を覆うべきではありません。これをすると、呼吸が阻害され、気が滞ります。また、夜寝る際には明かりをつけてはいけません。明かりを灯すと、魂魄が安定せず、質の良い睡眠が得られません。もし照明が必要であれば、薄暗い程度にして隠すように心掛けましょう。寝る際には口を閉じることも大切です。口を開けたままで眠ると、真気を失いやすくなり、歯も早く傷むことがあります。口を閉じて寝るようにしましょう。
気づき
口を開けて寝る行為は、昔から良くないと思われていたのですね。