養生訓267

常に居(い)る室(へや)も常に用(もちい)る器(うつわ)も、かざりなく質朴(そぼく)にして、けがれなく、いさぎよかるべし。居室(きょしつ)は風寒(ふうかん)をふせぎ、身をおくに安からしむべし。器(うつわ)は用(よう)をかなへて、事かけざれば事たりぬ。華美(かび)を好(この)めば、くせとなり、おごりむさぼりの心おこりて、心を苦しめ、事多くなる。養生の道に害あり。坐(ざ)する処、臥(ふ)す処(ところ)、少(すこし)も、すき間あらばふさぐべし。すき間の風、ふき通す風は、人のはだえに通りやすくして、病おこる。おそるべし。夜臥(よるね)して耳辺(じへん)に風の来る穴あらば、ふさぐべし。

養生訓

前の記事

養生訓266
養生訓

次の記事

養生訓268