養生訓231(巻第四 飲茶 附 煙草)
大和国中(やまとこくちゅう)は、すべて奈良茶(ならちゃ)を毎日食(しょく)す。飯に煎茶をそヽぎたる也(なり)。赤豆(あずき)、豇豆(ささげ)、蚕豆(そらまめ)、緑豆(りょくとう)、陳皮(ちんぴ)、栗子(くり)、零余子(むかご)など加へ、点じ用(もち)ふ。食を進め、むねを開く。
養生訓(意訳)
大和の国では、奈良茶粥を食べております。ご飯に煎茶(せんちゃ)を注いだものです。小豆、ささげ、空豆、緑豆、陳皮(ちんぴ)、栗、零余子(むかご)などを加えます。食欲が増し、すっきりします。
通解
大和国では、すべての人々が毎日奈良茶を飲んでいます。食事の際には煎茶を供されることもあります。また、赤豆、豇豆、蚕豆、緑豆、陳皮、栗子、零余子などを加えて、点心(てんしん)として用意されます。これらの食材は食欲を促進し、胸の閉塞感を和らげる効果があります。