養生訓188(巻第四 飲食下)
諸(もろもろ)の食物、陽気(ようき)の生理(せいり)ある新(あたらし)きを食ふべし。毒なし。日久(ひしさ)しく歴(へ)たる陰気欝滞(いんきうったい)せる物、食ふべからず。害あり。煮過(にすご)してにえばなを失(うしな)へるも同じ。
意訳
新鮮で活きが良い食べ物は、害は少ないです。逆に、日が経った食べ物は、害がある場合が多いです。煮すぎたり、香りが無くなったものも注意しましょう。
通解
様々な食材の中で、陽気の生理が活発な新しいものを食べるべきです。これらは体に毒がないです。一方、長い間保存されていて陰気がたまりやすくなっているものは食べるべきではありません。これらは害を引き起こす可能性があります。また、煮過ぎて柔らかさを失ったものも同様です。
気づき
新鮮で旬の食べ物は、健康に良いみたいですね。
陰気欝滞とは
「陰気欝滞(いんきうつたい)」は、日本の伝統的な医学や東洋医学において用いられる用語で、気の流れが滞ってしまい、気のバランスが崩れた状態を指します。具体的には、陰気(陰性のエネルギー)が滞って陽気(陽性のエネルギー)とのバランスが崩れ、身体や精神の不調を引き起こすとされています。
陰気欝滞は、主に以下のような症状が現れるとされています:
気分の沈み込みや憂鬱感
エネルギーの低下
身体のだるさや疲労感
食欲不振
睡眠の乱れ