養生訓81(巻第二総論下)

飲食は身を養ひ、ねぶり臥(ふ)すは気を養なふ。
しかれども飲食、節(せつ)に過れば、脾胃(ひふ)をそこなふ。
ねぶり臥(ふ)す事時ならざれば、元気をそこなふ。
此二(このふたつ)は身を養はんとして、かへつて身をそこなふ。
よく生(せい)を養ふ人は、つとにおき、夜半(やはん)にいねて、昼いねず、常にわざをつとめておこたらず、ねぶりふす事をすくなくして、神気(しんき)をいさぎよくし、飲食をすくなくして、腹中(ふくちゅう)を清虚(せいきょ)にす。かくのごとくなれば、元気よく、めぐりふさがらずして、病生ぜず。発生の気(き)、其(その)養を得(え)て、血気(けっき)、をのづからさかんにして病なし。
是寝食(しんしょく)の二(に)の節(せつ)に当れるは、また養生の要(よう)也。

意訳

養生の基本は、早起きして、朝食をたべ、適度の仕事と運動をして、長い昼寝をしないで、夕食は腹八分で済ませることです。

通解

飲食は身体を栄養し、睡眠は気を回復させます。
ただし、飲食を過度にすると消化器を損ない、睡眠の過度は元気を減少させます。
この二つの要因は、身体を養うために取り組む一方で過度になると身体を害するものです。
健康的な生活を維持するためには、早起きし、昼間は長い昼寝をせず、適度な睡眠を確保し身体を活発に保つことが重要です。
また、飲食を適切に摂り、元気を保ち、運動で血液の循環を促進することで、病気を予防出来ます。
これによって、体内の生命エネルギーである「気」を養い、血液の健康を保つことができます。
このような寝食と節制のバランスは養生の要点でもあります。

気づき

睡眠は必要ですが、過度に寝過ごすことも良くないようですね。そして、睡眠の時間よりも、良質の睡眠が良いと聞いたことがあります。
常にわざをつとめておこたらず」ともあります適度な運動は、良質の睡眠と関係があるのかも知れませんね。