養生訓80(巻第二総論下)

養生の道,多くいふ事を用ひず。
只(ただ)飲食をすくなくし,病をたすくる物をくらはず、色慾をつゝしみ,精気(せいき)をおしみ,怒哀憂思(どあいゆうし)を過(すご)さず。
心を平(たいら)にして気を和らげ、言をすくなくして無用の事をはぶき、風寒暑湿の外邪をふせぎ、又、時々身をうごかし、歩行し、時ならずしてねぶり臥(ふ)す事なく、食気(しょくき)をめぐらすべし。
是養生の要なり。

意訳

養生の術は簡単です。食生活を改善し、欲張らず過度のストレスになる原因を排除し適度な運動をすれば良いのです。

通解

養生の道は、たくさんの複雑な手段を使う必要はありません。
ただ飲食を控え、病を引き起こす要因を避け、色欲を抑え、精気を守り、怒りや悲しみ、心配事を過度に抱えずに、心を平静にし、気を穏やかに保ち、無駄なことを言わずに不要な事柄を避け、外部からの風寒暑湿の邪気を遠ざけ、また、定期的に身体を動かし、歩行し、適切なタイミングで休息することなく、食事の消化を促すことです。
これが養生の要点です。

気づき

世の中で一番難しいことは、一番簡単な事を続ける事だと聞いたことがあります。

「継続は力なり」かも知れませんね。