養生訓79(巻第二総論下)

飲食色慾をほしゐまヽにして、其(その)はじめ少(すこし)の間(あいだ)、わが心に快(こころよ)き事は、後に必ず、身(み)をそこなひ、ながきわざはひとなる。
後に、わざはひなからん事を求めば、初(はじめ)、わが心に快(こころよ)からん事をこのむべからず。
萬(よろず)の事はじめ快くすれば、必(かならず)後(のち)の禍(わざわい)となる。
はじめ,つとめてこらゆれば、必(かならず)後の楽(たのしみ)となる。

意訳

飲食や性欲などの快楽は、初めは快くても後から災いのもとになります。ですから、出来るだけ我慢しましょう。そうすれば、本当の楽しみが見えてきます。

通解

飲食や色欲に心を傾けて、最初のわずかな間は楽しいことがあっても、その後には必ず身体を損ない長い間にわたる苦労を招くことになります。
後に、後悔しないようにするには、はじめから自戒することです。
世の中のすべてのことにおいて、はじめ楽しいことは、必ず後に災いをもたらします。
最初から努力をして取り組むならば、必ず後には楽しみが訪れるでしょう。

気づき

飲食や性欲に限らず、すべての懈怠は、後々に、災いの原因になりうる可能性があるということでしょうか。例えば、長く座っていることは健康に良くないとか、長い昼寝も良くないなど、普段何気ない習慣でも、心地よいものは注意が必要かも知れませんね。