養生訓98
易(えき)に曰、「患(うれい)を思ひ、予(かね)てこれを防ぐ」。
いふ意(こころ)は後の患(うれい)をおもひ、かねて其(その)わざはひをふせぐべし。
論語にも「人遠き慮(おもんばかり)なければ、必近きうれひあり」との玉(たま)へり。是皆、初(はじめ)に謹(つつし)んで、終(おわり)をたもつの意(こころ)なり。
意訳
古い医学書に、「病気の苦しみを想像して、予防を心掛けなさい。」と書いてあります。
論語にも、「遠い将来のことを考えずにいると、近い将来必ず、心配事が起こる」と書いてあります。
通解
易経には「患を思い、予てこれを防ぐ」とあります。これの意味は、将来の困難や問題を予測し、事前にその対策を講じるべきだということです。
また、論語にも「人遠き慮なければ、必近き憂いあり」という言葉があります。これは、将来の不幸を遠くから考えることがなければ、必ず近い将来に悩みが訪れるということを意味しています。これらの教えは、初めから注意深く行動し、最終的には結果を良好なものとするための意図を持っています。
気づき
大病を経験されている方は、その苦しみを知っているがゆえに、健康に注意し長生きできるとも聞いたことがあります。
予防のための実践を日々、心掛けたいものですね。