養生訓96

心は楽しむべし、苦しむべからず。身は労すべし、やすめ過(すご)すべからず。凡(およそ)わが身を愛し過(すご)すべからず。
美味(びみ)をくひ過(すご)し、芳(ほう)うんをのみ過(すご)し、色をこのみ、身を安逸(あんいつ) にして、おこたり臥す事を好む。
皆是、わが身を愛し過(すご)す故に、かへつてわが身の害となる。
又、無病の人、補薬(ほやく)を妄(みだり)に多くのんで病となるも、身を愛し過(すご)すなり。子を愛(あい)し過して、子のわざはひとなるが如し。

意訳

気持ちは楽しく苦しまない様にしましょう。但し、出来るだけ動かした方が良いでしょう。欲望に溺れた生き方は心と体を害します。そして、病気でもないのに薬を飲むのも良くないです。

通解

心は楽しむべきであり、苦しむべきではない。身体は働くべきであり、過度に休息するべきではない。自分の身を過度に愛すべきではない。
美味しいものに過度にこだわり、良い匂いに過度に心を奪われ、色に執着し、楽な生活を追求して怠けている。これらはすべて、自分の身を過度に愛しているために、結局は自分に害をもたらすものです。
また、無病の人でも、過度に補薬を摂取して病気になることがありますが、これも自分の身を愛し過ぎる結果です。子供を過度に愛して子供のわがままを容赦することも同様です。

気づき

時々、自分自身を溺愛していると思うことがあります。例えば、好物なものがあれば、我慢できず、食べ過ぎたり、飲み過ぎたり、テレビを見るのも好きです。でも、少しづつでも、改善して行きたいものですね。





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