養生訓70(巻第二総論下)
「日長(ひなが)き時も昼臥すべからず。日永(ひなが)き故、夜に入て、人により、もし体力つかれて早くねぶることをうれへば、晩食(ばんしょく)の後、身を労動し、歩行し、日入(ひのいり)の時より臥して体気(たいき)をやすめてよし。
臥して必(かならず)ねぶるべからず。ねぶれば甚(はなはだ)害あり。
久しく臥べからず。秉燭(へいしょく)の比(ころ)おきて坐すべし、かくのごとくすれば夜間、体に力ありて、ねぶり早く生ぜず。もし日入の時より、ふさゞるは尤(もっとも)よし。」
意訳
長い昼寝はやめましょう。夕食後は散歩程度の運動をしましょう。そうすると、よく熟睡することが出来ます。食後に寝るのは体に悪いです。
通解
「長い日中でも昼間には寝てはいけません。日が長いため、夜になってから、もし疲れて早く寝ることを望むなら、晩ご飯の後に身体を使って動き、歩行してください。日が沈む時間から寝て、体力を休めるのが良いでしょう。
ただし、必ずしも寝る必要はありません。寝てしまうと大きな害があります。長時間寝ることも避けるべきです。夕方頃に起きましょう。このようにすることで夜間に体力が残り眠たくありません。もし日が沈む時間から体を休めるなら、さらに良いです。
気づき
短い昼寝は、健康に良いと聞いたことがありますね。中国にいた時に、大人でも昼寝の習慣があることに驚きましたが、短い昼寝をしてから昼食を食べ、軽い運動をするのが良いのか、それとも、昼食を食べ、軽い運動をしてから、昼寝するのが良いのか、悩ましい問題ですね。