養生訓66(巻第二総論下)
凡(およそ)朝は早くおきて、手と面(かお)を洗ひ、髪をゆひ、事(こと)をつとめ、食後には、まづ腹を多くなで下し、食気(しょくき)をめぐらすべし。
又、京門(きょうもん)のあたりを手の食指(しょくし)のかたはらにて、すぢかひにしばしば、なづべし。
腰をもなで下(おろ)して後、下(した)にてしづかにうつべし。
あらくすべからず。もし食気滞(しょくきとどこう)らば、面(かお)を仰(あお)ぎて三四度(あおさんよんど)食毒(しょくどく)の気を吐(は)くべし。
朝夕(あさゆう)の食後に久しく安坐すべからず。
必ず、ねぶり臥(ふ)すべからず。
久しく坐し、ねぶり臥せば、気ふさがりて病となり、久しきをつめば命みじかし。
食後に、毎度(まいど)歩行(ほこう)する事、三百歩すべし。おりおり五六町(ごろくちょう)歩行するは尤(もっとも)よし。
意訳
早起きして、手や顔を洗いましょう。食後は、お腹を撫でましょう。もし、食べ物が胸につかえた時は、顔を上げて、げっぷをしましょう。食後に長く坐ったり、寝る事もよくないです。それを繰り返すと短命になります。食後は、三百歩程度は歩きましょう。
通解
普段は朝早く起きて、手と顔を洗い、髪をとかし、仕事に取り組みます。食事の後は、まず腹部を多く撫でて下から上へと刺激し、食べ物の消化を促進しましょう。
また、京門の近くで、手の食指のかたはらを使って、しばしば自分をなでることを習慣としましょう。腰を撫でたり下部をさすることで、落ち着いて体調を整えるべきです。荒く動くべきではありません。もし食べ物の消化が滞っている場合は、顔を上げて三四度吐息を吐くと良いです。
朝晩の食事後に長時間座り続けるべきではありません。必ず寝る前に座っている時間を取るべきです。長時間座りすぎたり寝すぎたりすると、気が滞って病気になり、長時間続ければ寿命が短くなります。
食事の後に毎回、歩行する習慣を持ちましょう。300歩くらい歩くことが良いですし、時折約600m歩くことも特に良いです。
気づき
食後に、寝たり、座ることは、良くないみたいですね。明日から、食後に、少し、歩いてみます。