養生訓375(巻第八 養老)

老人は体気よはし。是を養ふは大事なり。子たる者、つゝしんで心を用ひ、おろそかにすべからず。第一、心にそむかず、心を楽(たの)しましむべし。是(これ)志を養ふ也。又、口腹(こうふく)の養(やしない)におろそか、なるべからず。酒食精(くわ)しく味よき物をすゝむべし。食の精、しからざる、あらき物、味あしき物、性あしき物を、すゝむべからず。
老人は、胃腸よはし、あらき物に、やぶられやすし。