養生訓399(養老)

衰老(すいろう)の人は、脾(ひ)胃(い)よはし。夏月(かげつ)は、尤(もっとも)慎んで保養すべし。暑熱(しょねつ)によつて、生冷の物をくらへば、泄瀉(せつしゃ)しやすし。瘧痢(おこり)も、おそるべし。一たび病すれば、大(おおい)に、やぶれて元気へる。残暑の時、殊におそるべし。又、寒月(かんげつ)は、老人は陽気すくなくして、寒邪(かんじゃ)に、やぶられやすし。心を用てふせぐべし。老人はことに生冷、こはき物、あぶらけねばく、滞(とどこお)りやすき物、こがれて、かはける物、ふるき物、くさき物をいむ。五味偏(へん)なる物、味よしとても、多く食(くら)ふべからず。夜食を、殊に心を用(もちい)て、つゝしむべし。

養生訓

前の記事

養生訓398(養老)
養生訓

次の記事

養生訓400(養老)