養生訓158(巻第三 飲食 上)
脾虚(ひきょ)の人は生魚(せぎょ)をあぶりて食するに宜(よ)し。煮たるよりつかえず。小魚(しょうぎょ)は煮て食するに宜(よ)し。大なる生魚はあぶりて食ひ、或(あるいは)煎酒(いりざけ)を熱くして、生姜わさびなどを加え、浸(した)し食すれば害なし。
意訳
胃弱の人で、生魚を食べる時は、炙って食べるのが良いでしょう。小魚は、煮て食べるのが良いでしょう。
通解
脾虚の状態にある人は、生魚を炙って食べることが適しています。煮るよりも生魚の方が消化に良いです。小さな魚は煮て食べるのが良いでしょう。大きな生魚は炙って食べるか、煎酒を熱くして生姜やわさびなどを加えて調理し、その中に浸して食べると良いです。これによって身体に害はありません。
気づき
「脾虚」とは、一般的に、胃腸など消化器系の調子が良くない事を指す言葉だそうです。虚とは、生命力が下がった状態を表す意味があるそうです。
いずれにしても、体調が悪い時は、それぞれに対する食への心得も知る必要があるのかも知れませんね。