養生訓388(巻第八 育幼)
小児は、脾(ひ)胃(い)もろくして、せばし。故に、食にやぶられやすし。つねに病人を、たもつごとくにすべし。小児は、陽(よう)さかんにして熱多し。つねに熱をおそれて、熱をもらすべし。あたため過(すご)せば筋骨よはし。天気よき時は、外に出して、風日(ふうじつ)に、あたらしむべし。此如(このごとく)すれば、身(み)堅固(けんご)にして病なし。はだに、きする服は、ふるき布を用ゆ。新しききぬ、新しきわたは、あたゝめ過(すご)してあしゝ。用ゆべからず。小児を保養する法は、香月牛山医士(いし)の、あらはせる育草(やしないぐさ)に詳(つまびらか)に記せり。考みるべし。故に今、こゝに略せり。
養生訓(意訳)
子供は、出来るだけ外に出して、日や風に当たらせましょう。健康で丈夫に育ちます。
意訳
小児は脾胃が弱く、繊細ですので、食事には注意が必要です。常に病気にかかりやすい存在として扱うべきです。小児は活発で体温が高い傾向がありますので、常に熱に注意し、適度に体温を下げるようにします。過度に温めると筋肉や骨が弱くなります。天候の良い時には外に出し、風や日光に触れさせることで新鮮な刺激を与えるべきです。このようなケアを行うと、身体は強く健康を保ちます。肌には古い布を使用し、新しい衣類や新しいわたを過度に使用しないようにします。小児の保養方法については、医師である香月牛山氏が詳しく記載していますので、参考にすることをお勧めします。以上が要点です。