養生訓388

東垣(とうえん)が曰(いわ)く、細末(さいまつ)の薬は経絡(けいろ)にめぐらず。只(ただ)、胃中臓腑(いちゅうぞうふ)の積(せき)を去(さ)る。下部(かぶ)の病には、大丸(だいがん)を用(もち)ゆ。中焦(ちゅうしょう)の病は之に次(つ)ぐ。上焦(じょうしょう)を治(ち)するには極めて小丸(しょうがん)にす。うすき糊(のり)にて丸(がん)ずるは、化(か)しやすきに取(と)る。こき糊(のり)にて丸(がん)ずるは、おそく化(か)して、中下焦(ちゅうげしょう)に至(いた)る丸薬(まるがん)、上焦(じょうしょう)の病には、細(こまか)にして、やはらかに早く化(か)しやすきがよし。中焦(ちゅうしょう)の薬は小丸(しょうがん)にして堅(かた)かるべし。下焦(かしょう)の薬は大丸(だいがん)にして堅(かた)きがよし。是、頤生微論(いせいびろん)の説(せつ)也。又、湯(ゆ)は久(ひさし)き病に用(もち) ゆ。散は急なる病に用ゆ。丸(がん)はゆるやかなる病に用る事、東垣(とうえん)が珍珠嚢(ちんしゅのう)に見えたり

養生訓

前の記事

養生訓387
養生訓

次の記事

養生訓389