養生訓387

腎(じん)は、水を主(つかさ)どる。五臓六腑(ごぞうろっぷ)の精(せい)をうけて,をさむ故(ゆえ)、五臓(ごぞう)盛(さかん)なれば、腎水(じんすい)盛(さかん)なり。腎(じん)の臓(ぞう)ひとつに、精(せい)あるに非(あら)ず。然(しか)れば、腎(じん)を補(おぎな)はんとて専(もっぱら)腎薬(じんやく)を用(もち)ゆべからず。腎(じん)は下部(かぶ)にあつて五臓六腑(ごぞうろっぷ)の根(ね)とす。腎気(じんき)、虚(きょ)すれば一身(いっしん)の根本(こんぽん)衰(おと) ろふ。故に、養生の道は、腎気(じんき)をよく保つべし。腎気(じんき)亡びては生命を保(たも)ちがたし。精気(せいき)をおしまずして、薬治(やくじ)と食治(しょくじ)とを以(もって)、腎(じん)を補(おぎな)はんとするは末(すえ)なり。しるしなかるべし。

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