養生訓(意訳)
学問を好まない医者は人の扱いには長けています。だから、日常的な軽易な病は治せるでしょう。しかし、特異な病に対しては専門の知識がないため、これらの病を治すことは難しいでしょう。
通解
俗医(ぞくい)は、医学を嫌わずに学ぶべきです。近代の名医が作った漢字の医書を見て、薬方を40〜50通り使い覚えれば、医術はわからないままでも、患者に慣れて一般的な病気を治すことができます。医書を読んでいない人にとっても役立ちます。例えば、穀物が熟したように、五穀が熟していなくても収穫できるようになるでしょう。
しかし、医学のない草医は、時には虚実寒熱を取り違え、実の症状を虚と間違えたり、目に見えない問題や技術的なミスが多くあります。寒に似た熱の症状や、熱に似た寒の症状、虚に似た実の症状、実に似た虚の症状があります。内傷や外感、非常に類似した症状もあります。こうした病気は混乱しやすく、根深くて理解しにくいものや珍しい病気もあります。こうした病気を治療することは特に困難です。