養生訓320

冬、朝(あした)に出て遠くゆかば、酒をのんで寒(かん)をふせぐべし。空腹にして寒にあたるべからず。酒をのまざる人は、粥を食ふべし。生姜(しょうが)をも食ふべし。陰霧(いんむ)の中、遠く行べからず。やむ事を得(え)ずして、遠くゆかば、酒食(しゅしょく)を以(もって)防(ふせ)ぐべし。雪中(せっちゅう)に跣(はだし)にて行て、甚(はなはだ)寒(ひ)えたるに、熱湯(あつきゆ)にて足を洗(あら)ふべからず。火に早くあたるべからず。大寒(たいかん)にあたりて、即(そく)熱(あつき)物を食飲すべからず。

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