養生訓318

除日(じょにち)には、父祖(ふそ)の神前(しんぜん)を掃除し、家内(かない)、殊(こと)に臥室(がしつ)のちりをはらひ、夕は燈(ともしび)をともして、明朝(みょうちょう)にいたり、家内(かない)光明(こうみょう)ならしめ、香(こう)を所々(しょしょ)にたき、かまどにて爆竹(ばくちく)し、火をたきて、陽気(ようき)を助くべし。家族と炉(ろ)をかこみ、和気(わき)津々(しんしん)として、人とあらそはず、家人(かじん)を、いかりのゝしるべからず。父母、尊重(そんちょう)を拝祝(はいしゅく)し、家内、大小(だいしょう)上下(じょうげ)椒酒(しょうしゅ)をのんで歓(よろこび)び楽しみ、終夜(しゅうや)いねずして旧(ふる)き歳(とし)をおくり、新き年をむかへて、朝にいたる。是(これ)を歳(とし)を守(まも)ると云(いう)。

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