養生訓294(第六巻 慎病)

冬至(とうじ)には、一陽(いちよう)初(はじめ)て生(しょう)ず。陽気の微少(びしょう)なるを静養(せいよう)すべし。労動すべからず。此日(このひ)、公事(こうじ)にあらずんば、外に出(いず)べからず。冬至(とうじ)の前五日、後十日、房事(ぼうじ)を忌(い)む。又、灸すべからず。続漢書(ぞくかんしょ)に曰(いわく)、夏至(げし)水を改(あら)め、冬至(とうじ)に火を改むるは、瘟疫(おんえき)を去(さる)なり。冬月(とうげつ)は、急病にあらずんば、針灸(しんきゅう)すべからず。尤(もっとも)十二月を忌(い)む。又、冬月(とうげつ)按摩をいむ。自身しづかに導引(どういん)するは害なし。あらくすべからず。