養生訓287
熱湯(ねっとう)にて、口をすゝぐべからず。歯を損(そん)ず。千金方(せんきんほう)曰(いわく)、食事しおはるごとに、手を以(もって)、面(かお)をすり、腹をなで、津液(しんえき)を通流(つうりゅう)すべし。行歩(こうほ)する事(こと)数百歩すべし。飲食して即(そく)臥(ふ)せば百病(ひゃくびょう)生(しょう)ず。飲食して仰(あおの)きに臥(ふ)せば、気痞(きつかえ)となる。
養生訓(意訳)
熱湯で口をゆすがない方が良いでしょう。食後は、すぐに横にならず、軽い散歩をしたほうが体によいでしょう。これは、中国の古い医書に書いてあります。
通解
熱いお湯で口をすすぐのは、歯に悪影響を及ぼす可能性がありますので避けるべきです。歯を守るために、熱湯ではなくぬるま湯で口をすすぐことが推奨されます。
また、食事後に手で顔をさする、腹をなでるなどの軽い運動を行うことは、消化を助け、体内の液体の流れを促進するのに役立ちます。さらに、食事の後にしばらく歩くこともおすすめです。ただし、食事直後に寝るとさまざまな健康問題を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。食事後に仰向けに寝ると胃の動きが滞りやすくなり、胃腸の不調を引き起こすことがあります。
したがって、食事後に仰向けに寝るのは避け、軽い運動や散歩をして消化を助けましょう。
気づき
この文は、まず、熱いお湯で口をすすぐと、口の中の粘膜や歯が傷つく可能性があるということを述べています。適度な温度のお湯で口をすすぐことが望ましいとのことです。
次に、食後に手で顔や腹部をさすることで、消化を促進し、体内の水分を循環させることが大切であると述べられ、食後には軽い散歩をすることで、消化を助けることができるとされています。
「飲食して即臥せば百病生ず」というのは、食事を摂った後にすぐに寝ることが体に悪いという意味で、消化器官がまだ十分に働いていない段階で横になると、胃腸に負担がかかり、消化不良や胃痛の原因になると理解します。
また、「飲食して仰きに臥せば、気痞となる」というのは、食事を摂った後に仰向けで寝ることが胃の調子を悪くするということです。仰向けに寝ることによって胃の内容物が逆流してしまい、胸焼けや胃痛の原因になるとの意味があると思われます。
食後の運動と以前聞いたことがありましたが、昔からあったのですね。

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