養生訓235(巻第四 慎色欲)
わかく盛なる人は、殊(ことに)に男女の情慾(じょうよく)、かたく慎しんで、過(あやまち)すくなかるべし。慾念(よくねん)をおこさずして、腎気(じんき)をうごかすべからず。房事(ぼうじ)を快(こころよ)くせんために、烏頭付子(うずぶし)等の熱薬(あつやく)のむべからず。
養生訓(意訳)
若い人は情欲に駆られて過ちを犯さないようにしましょう。
通解
若くて体力の旺盛な人は、特に男女の情欲について慎重に注意し、過ちを犯すことを避けるべきです。欲望を抑えつつも、腎気を活発に保つことが大切です。性的な行為を楽しむために烏頭付子などの熱を生む薬を摂取することは避けるべきです。烏頭付子は古代中国の薬草で、性的な興奮を高める効果があるとされていますが、過度な刺激や熱を生む可能性があるため、健康を損なうことがあります。
【情慾】とは、異性の肉体に対する欲望の事。