養生訓325(第六巻 択医)
本草(ほんそう)の内、古人(こじん)の説まちまちにして、一(いち)やうならず。異同(いどう)多し。其内(そのうち)にて考(かんが)へ合(あわ)せ、択(えら)び用(もち)ゆべし。又、薬物も食品も、人の性(せい)により、病症(びょうしょう)によりて、宜(ぎ)、不宜(ふぎ)あり。一概(いちがい)に好否(こうひ)を定めがたし。
養生訓(意訳)
薬も薬草も、その人の体質やその日の体調によっても効能は異なります。一概に、これだと定めることは難しいです。
通解
本草学において、古代の人々の説はまちまちであり、一つの意見に統一されているわけではありません。異同が多いのです。その中で考え合わせ、選び取って利用するべきです。また、薬物や食品も、個人の性格や病状によって、適しているものとそうでないものがあります。一概に良いか悪いかを定めることは難しいのです。