養生訓291(第六巻 慎病)
六七月、酷暑(こくしょ)の時は、極寒の時より、元気へりやすし、よく保養(ほよう)すべし。加味生脈散 (かみしょうみゃくさん) 、補気湯(ほきとう)、医学(いがく)六要(ろくよう)の新製(しんせい)清暑益気湯(せいしょえききとう)など、久(ひさ)しく服(ふく)して、元気の発泄(はっせい)するを収斂(しゅうれん)すべし。一年の内(うち)時令(じれい)のために、薬を服して、保養すべきは、此(この)時なり。東垣 (とうえん) が清暑益気湯は湿熱(しつねつ)を消散(しょうさん)する方(ほう)也。純補(じゅんぽ)の剤(ざい)にあらず、其病(このやまい)なくば、服(ふく)すべからず。