養生訓242(巻第五 五官)
つねに居(い)る処(ところ)は、南に向ひ、戸に近く、明(あきらか)なるべし。陰欝(いんうつ)にしてくらき処(ところ)に、常(つね)に居(い)るべからず、気をふさぐ。又かがやき過(すぎ)たる陽明(ようめい)の処も、つねに居(い)ては精神をうばふ。陰陽(いんよう)の中にかなひ、明暗相半(めいあんあいなかば)すべし。甚(はなはだ)明るければ簾(すだれ)をおろし、くらければ簾(すだれ)をかかぐべし。
養生訓(意訳)
部屋は南向きで陽当たりが良い方がいいでしょう。薄暗い部屋は気を塞ぎます。そして、暑からず寒からずです。
通解
常に滞在する場所は、南向きで、戸に近く、明るい場所であるべきです。暗くて陰鬱な場所に長時間滞在すべきではなく、気分を沈める可能性があります。また、過度に明るい陽明な場所にも長時間いるべきではなく、精神を乱すことがあります。陰と陽のバランスを取り、明るさと暗さの中間を選びましょう。場所が非常に明るい場合は、すだれなどで光を遮り、逆に場所が暗い場合は、すだれを上げて明るさを取り入れるべきです。
気づき
部屋を借りる時にも、南向きを最優先事項にする知人がいましたね。