養生訓228(巻第四 飲茶 附 煙草)
茶は冷(れい)也。酒は温(おん)也。酒は気をのぼせ、茶は気を下(おろ)す。酒に酔(よ)へばねむり、茶をのめばねむりさむ。その性(せい)うらおもて也。あつものも、湯茶(ゆちゃ)も、多くのむべからず。多くのめば脾胃(いひ)に湿(おん)を生ず。脾胃(いひ)は湿をきらふ。湯茶(ゆちゃ)、あつものを飲む事すくなければ、脾胃(いひ)の陽気さかんに生発して、面色光(めんしきひかり)、うるはし。
養生訓(意訳)
茶は冷と云い眠気を覚まします、酒は温と云います。その性格は裏表です。お茶も、お酒も飲み過ぎには注意しましょう。
通解
茶は冷の性であり、酒は温の性です。酒は体内の気を上昇させる作用がありますが、茶は気を下げる効果があります。酒を摂ることで酔って眠くなりますが、茶を摂るとむしろ気が引き締まって目が覚めることがあります。その性質は、それぞれの特性が対照的であることを表しています。熱いものやお湯で作った茶も、多量に摂取することは避けるべきです。大量に摂ると脾胃に湿気が生じる可能性があります。脾胃は湿気を排除するために働きます。お湯で作った茶や熱いものを摂り過ぎると、脾胃の陽気が過剰に発生して、顔色が光り輝いて見えることがあります。
気づき
大好きなお茶も、多飲は良くないみたいですね。