養生訓212(巻第四 飲食下)
老人、虚人は、一切食うべからず物。生冷(せいれい)の物、堅硬(けんこう)の物、稠黏(ちゅうねん)の物、油膩(ゆじ)の物、冷麺(れいめん)、冷(ひえ)てこはきもち、餌(だんご)、粽(ちまき)、冷饅頭(ひやまんじゅう)、并(ならびに)皮、糯飯(もちいい)、生味噌、醴(あまざけ)の製法、好(よ)からざると、冷なると。海鰌(くじら)、海鰮(いわし)、鮪(しび)、梭魚(かます)、諸生菓(しょせいか)、皆(みな)脾胃(ひい)発生の気をそこなふ。
意訳
高齢者や虚弱の人は、冷たいもの、堅いもの、粘り気があるもの、冷麦、冷えた餅、団子、生菓子などは、過食しない方が良いでしょう。
通解
老人や虚弱な人は、生冷の食べ物や固くて硬いもの、粘り気のあるもの、油膩の食べ物、冷たい麺類、冷たいこはきもち、餌、粽(ちまき)、冷たい饅頭、皮、糯飯、生味噌、醴の製法、好ましくないもの、冷たくなったものなど、すべて避けるべき食べ物です。海鰌、海鰮、鮪、梭魚、さまざまな生菓子も、すべて脾胃の機能を妨げることになります。
気づき
冷たい物は、体に良くないのでしょうね。稠黏(ちゅうねん)の物とは、粘り気があるものだそうです。