養生訓97(巻第二総論下)
気を養ふに嗇(しょく)の字を用ゆべし老子(ろうし)此意(このこころ)をいへり。嗇(しょく)はおしむ也。元気をおしみて費(つい)やさゝざる也。たとへば吝嗇(りんしょく)なる人の、財多く余(あまり)あれども、おしみて人にあたへざるが如くなるべし。気をおしめば元気へらずして長命なり。
意訳
老子も言っています。「惜しむ心が大切です」と。怒りやストレスで、無駄に元気を使い過ぎてはいけません。何事も、使い過ぎは健康に良くないです。
通解
老子は「気を養う」という意味で「嗇」の字を用いています。ここでの「嗇」は「おしむ」という意味です。つまり、元気を大切にし、惜しみながら使うことを表しています。吝嗇な人は多くの財産を持っていても人には与えません。
元気を大切に使うことで、元気を失わずに長寿を保つことができます。
気づき
若い頃は、老後の事など意識が少ないため、無駄な気を使ったり浪費も多かったような気がします。
これからは、悩んでも仕方がないことは悩まない方が良いのかも知れませんね。
吝嗇とは
吝嗇(りんしょく)」は、非常に倹約であり、欲深くて物を惜しむことを指します。これは一般的に、贅沢を嫌い、出費を極力減らそうとする態度を表す言葉です。吝嗇な人は自分の所有物やお金をできるだけ減らさず他人に対しても惜しむような姿勢を持つことがあります。