養生訓95(巻第二総論下)
萬(よろず)の事、皆、わがちからをはかるべし。ちからの及ばざるを、しゐて、其わざをなせば、気(き)へりて病を生ず。分外(ぶんがい)をつとむべからず。
意訳
すべての事において、自分の能力を知るべきです。能力以上のことを行うと病気のも元になります。人には人の個性があります。苦手なものがあるのは当たり前です。
通解
あらゆることにおいて、自分の能力や力量を考慮して行動することが大切です。自分の能力を超えることを無理にしようとすると、その結果として体調を崩す可能性があります。無理な努力をすることは避けるべきです。
気づき
人には、特性とか、個性とかがあり、仕事もその個性などに合ったものであれば、幸せな人生が歩めるはずです。逆に、不得手なことを続ければ病気になります。これは、自然の理ですよね。
「分外をつとむべからず」とは
「分外をつとむべからず」という表現は、直訳すると「予想外なことは避けるべきだ」とか「予測不能な状況には関与すべきではない」といった意味合いがあります。つまり、予測できない事態や予想外の出来事には慎重になるべきだという教訓的なニュアンスが含まれています。