養生訓198

食(しょく)すくなければ、脾胃(ひい)の中に空処(くうしょ)ありて、元気めぐりやすく、食消化(しょうか)しやすくして、飲食する物、皆、身の養(やしない) となる。是を以(もって)、病すくなくして身つよくなる。もし食多くして腹中(ふくちゅう)にみつれば、元気のめぐるべき道をふさぎ、すき間なくして、食消化せず。是を以(もって)、のみくふ物、身の養とならず、滞りて元気の道をふさぎ、めぐらずして病となる。甚(はなはだ)しければもだえて死す。是(これ)食過(しょくすぎ)て腹にみち、気ふさがりて、めぐらざる故也。食後に病おこり、或(あるいは)頓死(とんし)するは此故也(このゆえなり)。
凡(およそ)大酒(おおざけ)・大食(たいしょく)する人は、必ず、短命(たんめい)なり。早くやむべし。かへすがへす老人は腸胃(ちょうい)よはき故に、飲食にやぶられやすし。多く飲食すべからず。おそるべし。

意訳

少食の習慣をつければ、胃腸に余裕が出来て、消化も気も巡りやすくなります。ですから、病気になりにくい身体になります。逆に、大酒や過食の人は、余裕がないので短命になりやすいです。よくよく、肝に銘じておきましょう。

通解

食べ物を控えることは、脾胃の中に空間を作り、元気が円滑に巡り、消化が促進されるため、飲食物はすべて身体の養分となります。これにより、病気が少なく健康な身体を維持することができます。一方、食べ物を過剰に摂取すると、腹の中が充満し、元気の巡り道を妨げ、スペースが埋まって消化ができなくなります。このため、飲食物は身体の養分とならず、消化が遅れ、元気の巡りが妨げられ、病気につながることがあります。重症の場合、苦しんで死ぬこともあります。これは食べ過ぎによって腹が満ち、元気が詰まり、巡りが滞るためです。食後に病気が発生し、時には突然の死が起こるのは、この理由によるものです。

大量の酒や食事を摂る人は、必ず短命になりやすいです。早急に改善すべきです。また、老齢の人は腸胃が弱いため、飲食に弱く、過度な摂取には注意が必要です。過度な飲食を避けるべきです。これに注意しましょう。

気づき

食べ過ぎは、「内臓によくないぞう」と昔、知人が話していました。まんざら、間違いでもなさそうですね。

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