養生訓171
一切(いっさい)の宿疾(しゅくしつ)を発する物(もの)をば、しるして置(お)きて、くらふべからず。宿疾とは持病(じびょう)也。即時に害ある物あり。時をへて、害(がい)ある物あり。即時(そくじ)に傷なしとて食ふべからず。
意訳
自分の持病を悪くすると思われる食材は、記憶して覚えておきましょう。すぐに、害にならないからといって食べてはいけません。
通解
持病を悪化させる可能性のある物を認識しておいて、摂取しないように心がけるべきです。持病とは持っている病気のことであり、すぐに害を及ぼす物もあれば、時間をかけて影響が出る物もあります。すぐに害を及ぼさないとされていても、その時点で摂取しない方が良いです。
気づき
自分自身の身体の傾向性を理解し、もし、弱点があれば、そこを補う工夫が必要なのでしょうね。
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交友(こうゆう)と同じく食する時、美饌(びせん)にむかえば食(くい)過(すぎ)やすし。
飲み食い、十分に満足するは禍(わざわい)の基(もと)なり。花は半開(はんかい)に見(み)、酒は微酔(びすい)に、のむといへるが如くすべし。
興(きょう)に乗じて戒(いましめ)を忘るべからず。慾を恣(ほしいまま)にすれば禍(わざわい)となる。楽(らく)の極(きわ)まれるは悲(ひ)の基(もと)なり。
友人たちと会食をする時、美味(おい)しい物(もの)に向うと食べ過ぎてしまいます。飲食を十分に満足するまでとるのは禍(わざわい)の基(もと)となります。
「花は半開に見、酒は微酔(びすい)にのむ」と言われるように実行するべきです。楽しみの絶頂(ぜっちょう)の故(ゆえ)に戒(いましめ)を忘れてはいけません。欲を我慢(がまん)しなければ禍となります。楽しみの絶頂は悲劇の基となります。