養生訓133(巻第三 飲食 上)

五味偏勝(ごみへんしょう)とは一味(いちみ)を多く食い過(すご)すを云。甘き物多ければ、腹はりいたむ。辛(から)き物(もの)過(すぎ)れば、気上(きあが)りて気へり、瘡(かさ)を生じ、眼(め)あしゝ。鹹(しおはゆ)き物多ければ血かはき、のんどかはき、湯水(ゆすい)多くのめば湿(しつ)を生じ、脾胃(ひい)をやぶる。苦き物多ければ脾胃の生気(しょうき)を損ず。酸(す)き物多ければ気ちゞまる。
五味(ごみ)をそなへて、少づゝ食へば病生ぜず。諸肉(しょにく)も諸菜(しょさい)も同じ物をつゞけて食すれば、滞りて害あり。

意訳

甘い物、辛い物、苦い物、酸っぱい物などで常に同じ食材を食べ過ぎると体に良くないでしょう。肉でも野菜でも、いろいろな種類のものを食べた方が良いでしょう。

通解

五味偏勝(ごみへんしょう)」とは、特定の味覚を過剰に摂取することを指します。甘い味を過度に摂ると、胃が膨れて不快感が生じることがあります。辛い味を過剰に摂ると、体温が上昇して瘡(かさ)ができたり、目の状態が悪化することがあります。塩辛い味を過度に摂ると、血液が異常に濃くなったり、尿が多くなったりしてしまいます。また、湯水を過剰に摂ると湿気を生じ、脾胃を悪化させることがあります。苦い味を過度に摂ると脾胃の生気を傷つけることがあります。酸っぱい味を過度に摂ると気が滞ることがあります。

これらの五つの味を適切に組み合わせて少しずつ摂ることで、健康を保つことができます。肉や野菜など、異なる種類の食材をバランスよく摂ることが大切です。同じ種類の食材を連続して摂ると、消化が滞って健康に害を及ぼす可能性があります。

気づき

食べる物も、偏らず、満遍なく、食べた方が良いみたいです。同じように、やはり、偏った考え方もいけないのかも知れませんね。

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