養生訓132(巻第三 飲食 上)

珍美(ちんみ)の食に対すとも、八九分(はちきゅうぶ)にてやむべし。十分に飽(あ)き満(み)るは後(のち)の禍(わざわい)あり。
少しの間、欲をこらゆれば後の禍なし。
少のみくひて味のよきをしれば、多くのみくひて、あきみちたるに其(その)楽(たのしみ)同じく、且(かつ)後の災なし。
少(すこし)のむくひて味のよきをしれば、多くのみくひて、あきみちたるに其(その)楽(たのしみ)同じく、且(かつ)後の災なし。

萬(よろず)に事十分にいたれば、必ず、わざはひとなる。
飲食尤(もっとも)満意(まんい)をいむべし。
又、初に慎めば必ず、後の禍(わざわい)なし。

意訳

大好きな料理や高価な食事であっても、腹八分ぐらいが良いでしょう。満腹も腹八分も美味しさは同じです。満腹の場合、後に、いろいろな病気の原因になることがあります。何事も腹八分が良いでしょう。

通解

珍美な食事であっても、食べ過ぎないように注意しましょう。食べ過ぎて満たされることは、後に禍を招く可能性があります。しばらくの間、食欲を抑えることで将来の問題を避けることができます。

少しの量で十分に味わいを楽しむことを覚えれば多く食べる必要はありません。少ない食事で美味しさを感じることができれば過度に食べることなく楽しみを同じように味わえ、そして後に災難を避けることができます。

万事においても、同じことが言えます。

特に飲食においては過度に食べることなく満足することを心がけましょう。

また、最初から慎重に選ぶことで、後に問題が起こることを避けることができます。自制心を持って最初から適切な食事を選ぶことは重要です。

気づき

人の欲望には、際限がないとも聞きます。どんなに、財産があっても、それを増やそうとするあまり、墓穴を掘る場合も多々あるそうです。足るを知ることが一番かも知れませんね。

珍美とは

珍美(ちんび)は、日本語では一般的に「珍しい美味しいもの」や「珍しい美味しい食べ物」といった意味で使われる表現です。これは、食べ物や料理が非常に美味しくかつ珍しいものであるという感動や印象を表す言葉です。

例えば、新しい食材や斬新な料理、特に珍しい食べ物に出会った際に、「これは珍しくて美味しい!」というような場面で使われることがあります。食べ物の味や見た目が通常のものと異なり特別で感動的なものである場合に、この言葉が使われることがあります

ちょっとだけ、為になりそうなブログは、こちらから