養生訓151
論語、郷党篇(ごうとうへん)に記せし聖人(せいじん)の飲食の法、是(これ)養生の要なり。聖人(せいじん)の疾(やまい)を慎(つつし)み給(たま)ふ事かくの如し。法とすべし。飯はよく熟(じゅく)して、中心まで和(やわ)らかなるべし。こはくねばきをいむ。煖(だん)なるに宜(よろ)し。羮(あつもの)は熱きに宜し。酒は夏月(かげつ)も温(おん)なるべし。冷飲(れいいん)は脾胃(ひい)をやぶる。冬月(とうげつ)も熱(ねつ)飲すべからず。気を上(のぼ)せ、血液をへらす。
意訳
論語にも、飲食の記述があります。お米の炊き方は、芯まで柔らかくした方が良いです。硬いものや粘りがあるのは良くないです。お酒は、夏場でも少し温めた方がよいでしょう。冷酒は、胃腸を悪くします。寒い冬でも、熱燗(あつかん)は避けた方が良いでしょう。
通解
『論語』の「郷党篇」には、聖人の飲食の方法が記されており、これが養生の要点となります。聖人は自身の健康を大切にし、その飲食にも慎重さを持って取り組んでいました。その方法は我々にも法として参考になります。食事はよく熟し、胃の中心まで柔らかくなるように調理されるべきです。硬いものを食べると胃を傷める可能性があります。温かい食べ物は消化に良いですし、熱々の食べ物も胃に良いです。酒は夏季でも温かいものを選ぶべきです。冷たい飲み物は脾胃を傷つけることがあります。冬季でも熱い飲み物を摂るべきです。これにより気を活性化させ、血液の流れを促進します。
気づき
最近、ご飯をゆっくり噛んで食べるようにしたら、お米の美味しさが分かるようになりました。
高級なお米ではないのですが、土鍋など炊き方も工夫したら、美味しく感じます。