養生訓127(巻第三 飲食 上)

人生日々(じんせいひび)に飲食せざる事なし。常につゝしみて欲をこらへざれば、過(すご)やすくして病を生ず。古人(こじん)「禍(わざわい)は口よりいで、病は口より入(いる)」といへり。口の出しいれ常に慎むべし。

意訳

人は、食べない日はありません。油断するとすぐに、過食になります。古人は言っています。「禍(わざわい)は、口から出て、病は口から入る」と。

通解

人々の日常生活には飲食が欠かせません。しかし、常に慎み深く、欲望を制御しない限り、過食や無理な食事が生じて病気を引き起こす可能性があります。古代の人々は「災いは口から出て、病は口から入る」と言っています。言葉や口から出る行動にも注意を払い、常に慎むことが大切です。

気づき

人は、好物の前では無力なのでしょうか。ついつい過食になります。また、有頂天な時も、思わず、口を滑らすことがあります。昔から、「口は災いの元」とも言いますね。

「病は口より入り、禍は口より出ず」とは

「病は口より入り、禍は口より出ず」というのは、言葉や口の使用に対する戒めや教訓を表現した言葉です。この表現は、口から入る食べ物や飲み物が健康に影響を与える一方で、口から発せられる言葉が人間関係や社会に悪影響を及ぼす可能性があるという考え方を指しています。

具体的には、この言葉は以下のような意味合いを持っています:

病は口より入り:食べ物や飲み物によって体に病気や不調が生じる可能性があるため、健康に気を使うことが重要だという意味です。食事や生活習慣が健康に影響を与えることを強調しています。

禍は口より出ず:口から発せられる言葉が、他人や自分自身に対して悪い影響を及ぼす可能性があるため、言葉の使用には慎重であるべきだという教訓です。言葉には人間関係や社会への影響が大きいため、言葉遣いには気をつけるべきだとされています。

この言葉は、身体的な健康と精神的な健康を同時に大切にする考え方を示しており、食事や言葉の選び方が個人の健康や社会との調和に影響を与えるとされています。

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