養生訓122(巻第二総論下)

養生の術、まづ心法(しんぽう)をよくつゝしみ守らざれば、行はれがたし。心を静(しずか)にしてさはがしからず、いかりをおさえ慾をすくなくして、つねに楽んでうれへず。是(これ) 養生の術にて、心を守る道なり。心法を守らざれば、養生の術、行はれず。故に心を養ひ身を養ふの工夫、二(ふたつ)なし、一術(いちじゅつ)なり。

意訳

養生の術の入門は、まず、心を落ち着けて、出来るだけ、怒りをおさえ、何事も後悔しないことを心得とすべきです。心と身は一体だからです。

通解

養生の方法を実践するためには、まず心のあり方を大切にし、心法をよく理解して守ることが大切です。心を静かに保ち怒りを抑え欲望を控えめにし心配ごとを少なくすることです。これが養生の方法であり心を守る道です。心法を守らなければ、養生の効果が減少します。したがって心と身体を養うためには、これらの工夫が不可欠であり唯一無二の方法です。

気づき

怒りは決して良いことはないように感じますね。強いて言えば相手を諭したり注意する場合にも根底に相手に対する誠意が必要かなと思います。強く諭す事と怒りは別物のような気がしますね。少なくとも、自分自身にとって、なにも怒りで得することは無いようです。

養生の術とは

養生の術とは、主に健康を維持し、身体や精神の調和を保つための様々な方法や原則を指す言葉です。これは、伝統的な医学や東洋医学、ホリスティックなアプローチなど、さまざまな文化や医学体系において異なる形で表現されることがあります。

以下は、養生の術に関連するいくつかの一般的な原則や実践方法です。

食事の管理: 健康を維持するためには、バランスの取れた食事が重要です。栄養豊富な食品を摂取し、適切な食事のタイミングや量に気を配ることが大切です。

適度な運動: 適度な運動は身体の健康を促進し、心身のバランスを保つのに役立ちます。日常的な運動は血液循環を促進し、免疫力を向上させることが期待されます。

十分な睡眠: 良質な睡眠は健康の基本です。十分な睡眠を確保することで、身体が回復し、精神的な安定感が得られます。

ストレス管理: ストレスは健康に悪影響を与える可能性があります。リラックスやストレス解消の方法を見つけ、心身のリフレッシュを図ることが重要です。

環境の注意: 健康に良い環境で生活することも養生の一環です。清潔な環境や自然と触れ合うことが、心身の調和に寄与します。

規則正しい生活: 生活リズムを整え、規則正しい生活習慣を心がけることが、健康をサポートします。

自己観察と調整: 自分の身体や心の状態に敏感であり、適切なケアや調整を行うことも養生の一環です。

養生の術は文化や個々の健康状態によって異なる場合がありますが、上記の原則は一般的な健康維持のための基本的なアプローチです。個々の健康状態やニーズに合わせて、これらの原則を取り入れていくことが重要です。

「ホリスティック」とは

「ホリスティック」とは、対象を一つの部分だけでなく、全体としてとらえる観点やアプローチを指します。この考え方は、「全体論的」とも訳されることがあります。ホリスティックなアプローチは、特定の対象や問題を単一の要素だけでなく、関連する全体として捉え、その全体の相互作用やつながりを理解しようとするものです。

特に健康や医療の分野で使われることがあり、ホリスティック医学やホリスティック健康といった概念があります。これらのアプローチは、身体だけでなく、心や精神、社会的な要因などを含む全体的な視点から健康を捉え、治療や予防の方法を提案します。

ホリスティックな視点では、例えば身体の症状だけでなく、患者のライフスタイル、食生活、ストレスレベル、精神的な状態なども考慮されます。これにより、症状の背後にある根本的な原因や全体的な調和の取れていない状態を見つけ出し、それに対処することが重視されます。

ホリスティックなアプローチは、医療や健康だけでなく、教育、ビジネス、環境などの様々な分野で応用されています。全体的な理解とアプローチを取ることで、より包括的かつ効果的な解決策やケアが提供されることが期待されます。