養生訓120(巻第二総論下)

千金方(せんきんほう)に、常に鼻より清気(せいき)を引入(ひきい)れ、口より濁気(だくき)を吐出(はきだす)。入る事多く出す事すくなくす。出す時は口をほそくひらきて少し吐(はく)べし。常(つね)の呼吸のいきは、ゆるやかにして、深く丹田(たんでん)に入べし。急なるべからず。

意訳

中国の古い医学書に次のように書いてあります。新鮮な空気を常に鼻から吸い、口より体内の汚れた空気を出すこと。入れるときに多く、出す時に、口を細く開いて少しづつは出します。常に、呼吸の息は、へその下にある丹田に入れるように意識してください。ゆっくりと。

通解

『千金方』によれば、常に鼻から清らかな気を吸い入れ、口から濁った気を吐き出すべきです。吸い込む回数は多く、吐き出す回数は少なくすることが良いです。吐き出すときは口を細く開けて、少しずつ吐くべきです。通常の呼吸は、ゆったりと深く、丹田に入るように行うべきです。急いで行うべきではありません。

気づき

聞くところによると、古来から中国では、丹は不老不死の薬,田はこれを産する土地を意味し,ここに力を入れれば,健康と勇気が得られると伝えられているそうです。

そういえば、丹田を温めたり、意識して歩くだけでも良いと聞いたことがありますね。

丹田を丹念に、意識して生活することも、有かも知れませんね。

丹念(たんねん)とは

ー心をこめて念入りにすること。細かい所まで念を入れること。