養生訓141
養生の四要(しよう)は、暴怒(ぼうど)をさり、思慮をすくなくし、言語をすくなくし、嗜慾(しよく)をすくなくすべし。病源集(びょうげんしゅう)に唐椿(とうつばき)が曰、四損(しそん)は、遠くつばきすれば気を損ず。多くねぶれば神(しん)を損(そん)ず。多く汗(あせ)すれば血を損ず。疾(とく)行けば筋(すじ)を損ず」。老人はつよく痰を去(さ)る薬(くすり)を用べからず。痰をことごとく去らんとすれば、元気へる。是(これ)古人(こじん)の説也。
意訳
養生の術の極意は、むやみに、怒らず、深く悩まず、無駄な議論を少なくし、過度の欲を抑えることです。そして、惰眠と過労も健康に良くありません。
通解
養生の四要は、激しい怒りを抑えること、過度な思慮を避けること、控えめな言葉を使うこと、そして享楽を過度に追求しないことです。『病源集』には、唐椿の言葉があります。「四損(しそん)は、遠くつばきすれば気を損ず。多くねぶれば神を損ず。多く汗すれば血を損ず。疾行けば筋を損ず。」また、老人は強力な痰の去りを促す薬を使用すべきではありません。あまりにも痰を完全に取り去ろうとすると、元気を奪ってしまいます。これは古代の人々の教えです。
気づき
最近、高齢者が切れやすくなっていると言う記事を読んだことがあります。本人は、スッキリしたと思うのかも知れませんが、本当は、自分自身の身体にダメージを与えているのかも知れませんね。
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