養生訓140

孫真人(そんしんじん)が曰「修養(しゅうよう)の五宜(ごぎ)あり。髪は多くけづるに宜(よろ)し。手は面(めん)にあるに宜し。歯はしばしばたゝくに宜し。津(つばき)は常にのむに宜し。気は常に練(ね)るに宜し。練るとは、さはがしからずしてしづかなる也」。
久しく行き、久しく坐し、久しく立ち、久しく臥(ふ)し、久しく語るべからず。是労動ひさしければ気へる。又、安逸(あんいつ)ひさしければ気ふさがる。気へるとふさがるとは、ともに身の害となる。

意訳

昔の中国の書物に、長時間歩いたり、長く座ったり、立っていたり、横になったり、長話は良くないと書いてあります。また、長く身体を動かさないと気がふさがるので、適度な運動をしないといけないとも書いてあります。

通解

孫真人は言われています。「修養における五つの宜しさがあります。髪は多く抜けることがよろしい。手は顔にあることがよろしい。歯はしばしば揃えることがよろしい。唾液は常に飲むことがよろしい。気は常に鍛えることがよろしい。鍛えるとは、急がず静かに行うことです。」

長時間歩いたり、座ったり、立ったり、寝たりすることは避けるべきです。なぜなら、長時間の運動は元気を奪い、長時間の休息は気を滞らせるからです。元気が奪われたり滞ったりすることは、どちらも身体に害をもたらします。

気づき

日本人は、世界の人に比べて座っている時間が長いと言われているそうです。長時間の同じ姿勢も良くないと聞いたことがあります。意識して、身体を動かすことも必要かも知れませんね。

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