養生訓139

おもひをすくなくして神(しん)を養ひ、慾をすくなくして精(せい)を養ひ、飲食をすくなくして胃を養ひ、言をすくなくして気を養ふべし。是養生の四寡(しか)なり。摂生(せっせい)の七養(しちよう)あり。是を守るべし。
一には言をすくなくして内気(ないき)を養ふ。
二には色慾を戒(いまし)めて精気(せいき)を養ふ。
三には滋味(じみ)を薄くして血気(けっき)を養ふ。
四には津液(しんえき)をのんで臓気(ぞうき)を養ふ。
五には怒(いかり)をおさえて肝気(かんき)を養ふ。
六には飲食を節(せつ)にして胃気(いき)を養ふ。
七には思慮(しりょ)をすくなくして心気(しんき)を養ふ。
是(これ)寿親養老書(じゅしんようろうしょ)に出たり。

意訳

中国の古い医学書にも、無駄口を少なくし、色欲をほどほどしにし、薄味にして、胃の消化を良くし、唾液を飲んで、出来るだけ怒らず、ストレスを少なくすれば、長生き出来ると書いてあります。

通解

思いを少なくして神を養い、欲望を少なくして精を養い、飲食を控えめにして胃を養い、言葉を控えて気を養うべきです。これが養生の四寡と言われる要点です。また、摂生の七養として次のことを守るべきです。

言葉を控えて内気を養う。
色欲を避けて精気を養う。
食事の味付けを控えめにし、血気を養う。
津液を摂取して臓器の気を養う。
怒りを抑えて肝気を養う。
飲食を適度にして胃気を養う。
思慮を少なくして心気を養う。
これらの原則は『寿親養老書』に記されています。

気づき

私の友人にも、「養生養生と言って、人生面白くないでしょ。」と言う方もいます。
確かにそうかも知れませんが、少なくとも「病気で苦しむより、面白くない人生の方が良い。」と私は思っています。

それぞれ、人の価値観は違ってもいても良いのかもしれませんね。



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