養生訓133
素問(そもん)に「怒れば気(き)上(あが)る。喜べば気緩まる(きゆる)。悲(かなし)めば気消ゆ(きき)。恐るれば気めぐらず。寒ければ気とづ。暑(あつ)ければ気泄(きとどこう)る。驚(おどろ)けば気乱(きみだ)る。労すれば気へる。思へば気詰(きつまる)といへり。百病は皆、気(みなき)より生ず。病(やまい)とは気やむ也。故に養生の道は気を調(ととのえ)るにあり。
調(ととのえ)ふるは気を和(やわ)らぎ、平(たいらか)にする也。凡(およそ)気を養ふの道は、気をへらさると、ふさがらざるにあり。気を和(やわ)らげ、平(たいらか)にすれば、此二(このに)のうれひなし。
意訳
中国の古書に、「怒れば、気が上り、喜べば、気が緩まる。悲しめば、気が消えて、恐れれば、気がめぐらず、寒ければ、気が閉じる。暑ければ、気が漏れ、驚けば、気が乱れる。労すれば、気が減り、思えば、気が結ぶ。」とあります。百病はすべて、気より、起こります。
通解
「素問」には以下のように記されています。「怒れば気が上がり、喜べば気が緩む。悲しむと気が消え、恐れると気が乱れる。寒ければ気を引き締め、暑ければ気が逃げる。驚くと気が乱れ、労すると気が減る。考え込むと気が詰まる。百病は皆、気から生じる。病とは気の乱れである。そのため、養生の道は気を調えることにある。気を調えるとは気を和らげ、平穏にすることである。気を養う方法は、気を減らすことや気を塞ぐことがないことにある。気を和らげ、平穏にすれば、この二つの幸福が訪れる。」
気づき
心、即ち、精神と身体は、一体だということなんですかね。そういえば、脳梗塞などの発作も怒っている時が多いと聞いたことがあります。血圧が上がっているのでしょうか?
「短気は損気」なんですね。
短気は損気(たんきはそんき)とは短気を起こすと結局は自分の損になるとの意味。短気をいましめた言葉。