養生訓106(巻第二総論下)
養生の道は、中(ちゅう)を守るべし。中(ちゅう)を守るとは過不及(かふきゅう)なきを云。食物はうゑ(え) を助くるまでにて、やむべし。過(すぎ)てほしゐ(い) まゝなるべからず。是、中(ちゅう)を守るなり。物ごとにかくの如くなるべし。
意訳
養生の道は、中庸にあります。食事も、あと少し食べたいという処でやめるべきです。食べ過ぎは、身体に良くないです。中庸の考え方は、すべての事に通じます。
通解
養生の方法は、中を大切にすることです。中を守るとは、過度でも足りなくてもない状態を保つことを指します。食事も適度な量で摂り、飢えや過食を避けるべきです。これが中を守ることです。物事全般においても同じように、適切なバランスを保つことが重要です。
気づき
好物なものを目の前に出されれば、誰しも、喜んで満足するまで食べるのが人の常でしょう。
私は、自信がないので好物が出るような所には極力縁しないようにしています。
「過不及」とは
「過不及」(かふきゅう)は、物事を行う際に過ぎることと足りないこと、つまりは過度と不足の両方を指します。この概念は、中庸の思想や調和の重要性を強調したもので、極端な行動や考えを避け、適度で調和のとれた状態を追求することが大切だとされています。
「過ぎることはなく、足りないこともない」というのが理想的な状態であり、これは儒教や仏教の教え、または古代中国の哲学で見られる普遍的な価値観の一部と言えます。過不及の原則は、物事を調和させ、過剰な欲望や極端な行動から遠ざかることを奨励しています。
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