養生訓140(巻第三 飲食 上)

飲み食ふものにむかえば、さぼりの心すすみて、多きにすぐる事をおぼえざるは、つねの人のならいなり。酒食茶湯(しゅしょくちゃのゆ)ともによきほどと思ふよりも、ひかえて七八分にて猶(なお)も不足と思ふ時、早くやむべし。飲食して後には、必ず十分に、みつるものなり。食するとき十分と思へば、必ずあきみちて分(ぶん)に過(す)ぎて病(やまい)となる。

意訳

美味しい物に出会うと我慢出来ないのが人の性(さが)です。ですから、食べてる時に、「もう少し、食べたい」と思う時に箸を止める訓練をすれば、食後は十分に満足できます。過ぎれば、病気の原因になります。

通解

飲食に関して、欲望を抑えずに過度に食べることは、多くの人がなりがちな習慣です。酒や食事、茶や湯など、どれも適度な量を保つことが大切です。適切な量を守ることが、長く続けるための普遍的な習慣です。飲食を楽しむ際にも、無理せず適切な範囲内で行うべきです。食事を摂る際には、過度に食べないように心がけることが重要であり、満腹感を感じたら食事を終えるべきです。

気づき

早食いを治す方法の一つに、食事の途中に時々、箸を止める、いわゆる、箸を置いてから、また、食べると良いと聞いたことがあります。結果的に過食も防げるそうです。老後は、食事も人生もゆっくりの方が良いみたいですね。

酒食茶湯とは

酒食茶湯は、日本の伝統的な飲食文化や儀式に関連する言葉です。これは、日本の茶道や懐石料理などにおいて、茶の湯を楽しむ際の基本的な要素を指すことがあります。

酒(sake): お酒のことです。茶の湯や懐石料理の席では、時折お酒が出されることがあります。これは、和を深めたり、食事やお茶を楽しむ雰囲気を醸し出すために用いられます。

食(shoku): 食べ物や料理のことです。懐石料理は、旬の食材や季節感を大切にし、見た目や味わいにこだわった日本の伝統的な料理スタイルです。お茶会や茶の湯の席では、お点前(茶道の儀式)の前後に懐石料理が供されることがあります。

茶(cha): お茶のことです。茶道や茶の湯では、茶碗一杯の抹茶を通じて心静かに交流し、精神的な安定を求めることが大切にされています。お茶は、茶道や懐石料理において重要な役割を果たします。

湯(yu): お湯のことです。茶の湯では、お茶を点てるためのお湯が必要です。また、湯を用いて茶碗や茶筅を清める儀式も含まれます。

これらの要素が組み合わさり、茶の湯や懐石料理の席で、参加者たちは心を落ち着かせ、自然との調和を感じながら楽しむことが求められます。

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