養生訓118(巻第二総論下)
養生の四要(しよう)は、暴怒(ぼうど)をさり、思慮をすくなくし、言語をすくなくし、嗜慾(しよく)をすくなくすべし。病源集(びょうげんしゅう)に唐椿(とうつばき)が曰、四損(しそん)は、遠くつばきすれば気を損ず。多くねぶれば神(しん)を損(そん)ず。多く汗(あせ)すれば血を損ず。疾(とく)行けば筋(すじ)を損ず」。老人はつよく痰を去(さ)る薬(くすり)を用べからず。痰をことごとく去らんとすれば、元気へる。是(これ)古人(こじん)の説也。
意訳
養生の術の極意は、むやみに、怒らず、深く悩まず、無駄な議論を少なくし、過度の欲を抑えることです。そして、惰眠と過労も健康に良くありません。
通解
養生の四要は、激しい怒りを抑えること、過度な思慮を避けること、控えめな言葉を使うこと、そして享楽を過度に追求しないことです。『病源集』には、唐椿の言葉があります。「四損(しそん)は、遠くつばきすれば気を損ず。多くねぶれば神を損ず。多く汗すれば血を損ず。疾行けば筋を損ず。」また、老人は強力な痰の去りを促す薬を使用すべきではありません。あまりにも痰を完全に取り去ろうとすると、元気を奪ってしまいます。これは古代の人々の教えです。
気づき
最近、高齢者が切れやすくなっていると言う記事を読んだことがあります。本人は、スッキリしたと思うのかも知れませんが、本当は、自分自身の身体にダメージを与えているのかも知れませんね。
「養生の四要」とは
「養生の四要」とは、以下の四つの要素が挙げられています。
1激怒しないこと:怒りは心身の健康に悪影響を及ぼすため、穏やかな心を保つことが重要です。
2考えすぎないこと:過度の思考はストレスを生み出し、心身の健康を害する可能性があります。
3おしゃべりし過ぎないこと:無駄な話をすることはエネルギーの無駄遣いであり、また人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
4欲を少なくすること:欲望をコントロールすることで、心の平穏を保ち、健康的な生活を送ることができます。
「四損」とは
「四損」とは、以下の四つの要素が挙げられています。
1怒りすぎること:怒りは心身の健康に悪影響を及ぼすため、穏やかな心を保つことが重要です。
2悲しむこと:過度の悲しみはストレスを生み出し、心身の健康を害する可能性があります。
3楽しむこと:適度な楽しみは健康に良いですが、過度な楽しみは身体を疲弊させ、健康を損なう可能性があります。
4欲張ること:欲望をコントロールすることで、心の平穏を保ち、健康的な生活を送ることができます。